宇多丸: 古典SF『夏の扉』映画化〜タイムトラベルもの作品について考える
21.7.2
6時30分になりました。7月2日(金)After6Junctionパーソナリティ・ライムスター宇多丸です。私宇多丸が自腹で鑑賞した映画を評論する「ムービー・ウォッチメン」。今日扱うのは,ロバートA.ハインラインの名作SF小説を映画化したラブストーリー『夏の扉〜君のいる未来へ』(公開:21.6.25〜)です。
ロバートA.ハインラインの名作SF小説『夏の扉』を舞台を日本に移した作品。1995年,ロボット開発に従事する科学者・宗一郎は恩人の娘リコと愛猫ピートとともに暮らし,研究の完成を目前に控えていた。しかし周囲の裏切りにあい2025年まで冷凍睡眠にかけられてしまう。全てを失った宗一郎は愛する者を取り戻すために1995年へタイムトラベルをする。。主な出演は山崎賢人さん,清原伽耶さん,藤木直人さんほか。監督は三木孝浩さん。
■リスナー評
ということで,リスナーの皆さまからお便りメール頂いています。ご報告ありがとうございます。メールの量は多めですが,賛否の割合は褒めの意見が4割弱。否定的意見と中間的意見が過半数を超えました。肯定的意見としては
「目新しさはないがそれ故楽しめた」
「原作からの改変がちょうど良かった」
「清原伽耶さんと山崎賢人さんが魅力的」
「藤木直人さんがよかった」。。
否定的意見としては
「SFものとしても恋愛ものとしても中途半端」
「盛り上がりに欠ける」
「新鮮味がない」
「時代設定が変わりSFとしてのワンダーが消えた」
などです。...SugyMouさんのご意見です。
「見終わって第一印象としては無難という印象でした。原作未読ですが,タイムトラベルもので新作ならもっと冒険してほしかった。1956年発表の原作では,1970年>>2000年にジャンプする設定に対し,2021年公開のこの映画では1995年>>2025年にジャンプします。原作では,未来からさらに未来へ飛ぶことにSF的な面白さがあったのではと推測しますが,この映画では,過去から近未来へジャンプするためセンス・オブ・ワンダーが失われている気がします。。またタイムトラベルものでは設定の説明に時間を要し,キャラクターがストーリー展開の上での駒になってしまう傾向がありますが,本作も登場人物の厚みのなさ,動機の薄さが気になりました。特に脇役にあたる人々は,主人公に異常な理解を示し,全面協力をする親切なキャラクターか,今時どうかと思うほどの悪役かの2極に分かれてしまっています。清原伽耶さんは後援してると取れなくもないですが,身の回りの世話まで焼いてくれる主人公に献身的なヒロインと,セクシーさを武器に男を騙す金にしか目がない悪女というのは,女性キャラクターとして今時どうなんでしょうか?なるべく上品にまとめようとしてる気がしましたのでそこは好感が持てました。VFX とか頑張ってると言えなくもないですが,私としてはイマイチ乗り気じゃなかった作品でした。。」
これ,SugyMouさんの言われてるキャラクター設定の部分は,ほぼ原作の設定の問題です。あと,こちらサニワさんのメッセージ
「映画冒頭で引用されるホーキング博士のメッセージが,映画のストーリーと合っていない」
に全く同感です。。なんかホーキング博士の台詞がカッコイイから引用したかしんないけど,『夏の扉』のストーリーと関係ナイ。一本道タイムトラベル話なんで。
■古典を映画化する難しさ
私は,東宝シネマズ日比谷で2回観ました。2回同じ場所になっちゃいましたね。。観客数はまーぼちぼちって感じでしたけどね。。まあ今このコロナ禍下で単純比較できないけど,客層はどちらかというと僕と同世代以上が目立ってました。多分原作小説を元々読んでた世代が「どんなもんか」と観に来たって感じなんじゃないかなと思います。。
原作小説『夏の扉』がとにかく超有名な作品です。
作者は『宇宙の戦士』『スターシップ・トゥルーパーズ』『月は無慈悲な夜の女王』『人形使い』等で知られる米国のSF界の超大御所・ロバートA.ハインラインが1956年に発表したタイムトラベルものの古典的名作とされる作品。また「ネコものSF」の名作ともされています。あと個人的には竹宮惠子さんの同名漫画『夏の扉』,松田聖子『夏の扉』。その他諸々の同名作品と混同してて。。でもこっちがむしろ元の世界で有名だったのか。。みたいな事で知った作品です。
世界でも初の映画化に伴い,ハヤカワ文庫では新版が刊行されましたが,翻訳者福島正実さんの解説では,『夏の扉(A Door into the Summer)』のここまでの人気は日本特有の現象だそうです。またそれは多分に福島正実さんの名訳によるところが大きい,訳が魅力的で,原作小説に長年魅了されてきたという1963年生まれ,ご自身でもオタク第1世代と称するプロデューサー小川真司さんが10年以上前から映画化の構想を進めてきたという事です。
映画『夏の扉』の話を火曜日に聞いた時,僕も宇内アナも「エッ」。。て正直,意外さと危惧感を同時に感じました。というのは日本映画でSFが難しいという通念,ハードルという以上にSF小説『夏の扉』の今の時代の映画化には多種の懸念が個人的にはありました。
タイムトラベルものとして有名な作品『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『ドラえもん』。小説『夏の扉』の影響から生まれた有名作品が古典化している現在,僕の解釈で言うと,掘り下げればいくらでもディープな世界に行ってしまうタイムトラベルというテーマを,宇宙全体に関わるような大きな話にまで拡げずに,あくまで卑近な日常的テーマ,タイムトラベル技術を私有する主人公が,個人の問題の解決のために技術を使う。複集団が失った過去のものを取り戻そうという『巌窟王』的なテーマでもある。個人的な私的目的にタイムトラベル技術を使うというアイデアは小説『夏の扉』に始まって『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『ドラえもん』へと継がれていった系譜,これを個人的には感じていて。でその元祖の小説『夏の扉』では「タイム・パラドックスとか気にせんでエエよ,全ては一本道で,なるようになるようになってるし,精神がへこたれない限り良くなっていくから」的なハインライン的楽観主義,そこが魅力なんだけど。でも『バック・トゥ・ザ・フューチャー』さえも古典となった,タイムパラドックスのアイデアが出まくる2021年の現在,一本道もの作品でさえ『テネット』みたいな複雑な作品がある2021年の現在に,物凄く単純な構造と思想のタイムトラベルもの作品『夏の扉』,直線構造でタイムパラドックスの影響も気にしないみたいな作品を新鮮に楽しめるのか?という懸念がひとつ。あと原作の小説『夏の扉』はキャラクターがコメディ化されデフォルメされている。悪役の企みも言っちゃえば幼稚で,それはコメディ的要素でもある。ちょっと雑さがあって個人的にはジュブナイル寄り作品ていう印象です。悪女キャラのセクシズム・ルッキズム,これは現代社会から見れば女性蔑視のテンコ盛りですし。その対局に置かれるキャラクター,主人公の恩人の妹(ストーリー後半では理想の恋人のイメージへ)のキャラクターリッキーのとことん主人公に都合の良いロリータ性。現在の社会性という括りを除いてなおのアウト感。。キャラクターに関するストーリーの「あの話を今やるの?」感を,原作の『夏の扉』に既に持っているワケです。今回の実写化にあたって,製作者サイドは勿論,どう原作をアップデートし補正して行くべきか?ってことを色々考えられてると思うんです。脚本の菅野ともえさんは2011年実写版『時をかける少女』2013年『陽だまりの彼女』などを手掛けた脚本家です。三木孝浩・菅野ともえコンビによるひとつのタイムトラベルものの正解,彼らにとっての『夏の扉』。。これは理解らないではないかな。。と思います。
■細部の甘さが気にかかる
では実写版を観ていきます。まず冒頭の1968年のシーン。古いテレビの映像と共に流れる3億円強盗犯人が捕まったシーンから始まります。これは映画の中で一番刺激的だったかも知れない。あの有名な未解決犯罪・3億円強盗事件の犯人が捕まったシーン。。これで現実と違う世界である事を観客は端的に認識する。。そして瞬間移動実験だの,民営のコールドスリープ(冷凍睡眠)の会社だのというSF的ガジェットが存在する1995年。2021年の過去である1995年に現実と異なるSF的ガジェットが存在するという入り組んだ設定。このおかげでストーリー展開に多少ギャップがあってもスルーしやすい。
現実と異なる過去というストーリーで言えば,小説『高い城の男』じゃないけど,違う過去が存在する理由がどこかで説明されているのか?これは無かったです。ていうのは,そういう考え方ほど『夏の扉』という話から遠いものはないからです。ハインラインは「そういうゴチャゴチャしたものはキライ」と言っていますから。
この実写版ならではの設定というと,山崎賢人さん演じる宗一郎,清原伽耶さん演じるリコ,この年齢が原作よりも大分引き上げられている点。状況に対して自主的に判断できる大人の女性も演じられる清原伽耶さん。一方の山崎賢人さんは20代後半だけど10代とカラんでいても違和感ない印象。なので原作のあからさまなロリコン感は中和されてはいる。かな。ただリコの年齢が原作よりも上な点,ストーリー後半で彼女の過去がねこそぎ消されていくシーン。彼女と彼女の人生にとってもっとも大きく,左右するような事が彼女の承認なく変えられてゆく。そこは「どうなの?」という印象になる。一方をカバーすれば他方に違和感が出るというところ。そして藤木直人さん演じるアンドロイド・ピート。これが後半の未来世界で主人公のバディとなり支えていきますが,このキャラクターは原作にはないオリジナルです。これは「エイリアン2のランスヘリックスだ」って思いました。ビショップ的存在を連想させる藤木直人さんの容貌,佇まい、見事にコントロールされた振る舞い。これが単調一方説明的に陥りかねない前半の真相調査パートにユーモラスなエンターテイメント要素を加えていて良かったです。ただ,それによって失われたもの。。何も知らない未来世界に放り出された主人公の絶望感が消えてしまった。。「アンドロイドの相棒がいればやっていけるんじゃね?」みたいな。。あとはアンドロイド的な振る舞いとらしからぬ振る舞いのギャップで 産まれる笑い。。これは一寸やり過ぎ感を感じました。
キャッシュレス経済,自動運転。。近未来2025年の世界の人が1995年の人から生じるカルチャーギャップを,我々観客はどちらかというと未来側から眺める構造になっています。のでSF的な楽しさというよりも,未開人が文明に戸惑う面白味になっていて,何故そうなったかの説明はないものの,金の価格差を利用して資金を作りタイムトラベル技術の研究資金にするなど,原作よりも無理のない設定のなっている。ただ,それによって,逆にこの博士は主人公のためだけにタイムマシンを作ったみたいな印象になっちゃってて,そのためだけに30年間待ってて,そこでお役御免になった後はどうするのか?みたいな矛盾が産まれる。加えてさっきも言ったように,タイムトラベルものが最も単純な構造として存在した当時のシナリオが今の観客に通用するのか?という点。前半でなぞかけ的に登場する黒幕的な存在の正体 ,これは最初からわかると思いますよ。少なくともタイムトラベルものだって知ってきてる観客には判るし,そうでない観客にはご都合的にタイムトラベルが出てきた印象を与えてしまう。で主人公が打つ策が色々出てくるんですけど,これは何で必要なのかあんまりちゃんと飲み込ませてくれないんです。パズルのピースがあるべき場所に収まっていくような,タイムトラベルもの特有の知的カタルシス,醍醐味がない。
強調されるのは主人公とリコとの情緒ですが,情緒演出という意味でも本作は個人的には決定的に不満が残りました。劇中ところどころに断片的に流れるミスターチルドレンの1993年のヒット曲『クロスロード』。当然のようにクライマックスでこれが流れて「ベタだけど気持ちいいー」となると思いきや。。観ていくと,未来に還った主人公。そこに愛するリコがいる。。そこで流れる曲は,もちろんミスターチルドレンの1993年のヒット曲『クロスロード』かと思いきや。。『鬼滅の刃』でお馴染みリサの新曲『サプライズ』!。。ってビックリ。。『クロスロード』やないんかーイ。って結局エンドロールまで流れませんでした。近年で一番のサプライズでした。悪い意味で。ガッカリだったなァ。あと猫演出難しいんだろうなと思いました。人が猫が動いてるように動いてるところとか。
...1から10まで全くダメなんてこと言ってません。演者の皆さん本当に素晴らしいと思いましたし,特に主人公二人と藤木直人さん本当に素晴らしいと思いましたし,アレンジも上手くいっているところはいっていると思いましたし。日本製SFとして問題なく観られるし、そもそもの原作のもつ『巌窟王』的な普遍的カタルシスもあるはある。ただ,ここまでやっているのに。。という物足りなさ,両手を挙げてとは言い難い感じ,そもそも『夏への扉』のチョイスが悪かったのか??という辺りは皆さんご自身の目で確かめていただきたいと思っております。是非是非劇場に足を運び頂きご自身の目で確かめていただきたいと思っております。
ーTBSラジオ,After6Junction
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Robert A. Heinlein「夏への扉」(1956)~夏への扉を探すネコと30年後のボク
Robert A. Heinlein「夏への扉」
僕が飼っている猫のピートは冬になると決まって夏への扉を探し始める。家にたくさんあるドアのどれかが夏に通じていると信じているのである。
1970年12月3日,この僕もまた夏への扉を探していた。。最愛の恋人に裏切られて,仕事が取り上げられて,生命から二番目に大切な発明さえ騙し取られてしまった僕の心は12月の空同様に凍てついていたのだ。。
そんな僕の心を冷凍睡眠保険が捕らえたのだが。。
ーRobert A. Heinlein, 夏への扉, ハヤカワ文庫SF, 1979年版,
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6週間戦争の始まる少し前の冬,僕と僕のオス猫・護衛官ペトロニウスとはコネチカット州のある古ぼけた農家に住んでいた。
マンハッタンの被爆地帯の西の端にあったし,古い木造家屋というものはティッシュペーパーに火をつけたようによく燃えるから,今でもまだあの農家があそこに建っているかどうか疑問だ。
おそらくはないだろう。。そしてもし建っていたとしても,放射能の死の灰が降った後では高い家賃で貸すわけにはいかないだろう。
しかし当時僕らはーつまりぼくとねこのピートはこの家を気に入っていた。 下水がなかったので家賃は安かったし,居間だった部屋に置いた僕の製図机に冬の日差しがよく当たった。
しかし欠点があった。この家は何と外に通じるドアが11もあったのである。ピートのドアも勘定に入れれば12個のドアがあるのである。
僕はいつも猫のピートに専用のドアを開けて待ってやることにしていた。
この家の場合には,使わない寝室の窓に打ち付けた板切れでそこにちょうどピートのひげの幅に「猫越」を切ったのである。なぜこんな面倒をしたかといえば,今日まで僕はあまりに多くの時間を猫のためにドアを開けたり閉めたりすることを消費しすぎていたからである。。
僕が一度計算したところによると,文明の夜明けからこのかた,人類は972世紀分の時間を猫に費やしてきているのである。なんならもっと詳しい数字を見せてもいい。
私の猫ピートは,人間用のドアを開けろとせがむ場合には遠慮なく僕の手をわずらわせたが,それ以外は普通自分用のドアを使った。しかし地上に雪が積もってる間は絶対に自分のドアを使おうとはしなかった。
綿の化物のような子猫時代からピートは極めて単純明快な哲学を編み出していた。
家と食事と天気の世話は僕に任せて,それ以外の一切は自分持ちという哲学である。
しかしその中でも天気が特に僕の責任であった。
Connecticutの冬が素晴らしいのはもっぱらクリスマスカードの絵の中だけである。
その冬が来るとピートは決まっていまず自分用のドアを試して,ドアの向こうに不愉快な白いものを見つけるともう外には出ようとせずに人間用のドアを開けろと始終僕にうるさくまとわりつく。ピートはその人間用のドアの少なくともどれかの一つが夏に通じているという固い信念を持っていたのである。。
これは彼がこの欲求を起こす都度,家の11箇所のドアを一つずつ彼について回って彼が納得するまでドアを開けて,さらに次のドアを開けるという巡礼の旅を続けなければならないことを意味する。
そして一つ失望の重なるごとに,彼は僕の天気管理の不手際さに不快そうに喉を鳴らすのであった。
こうして見極めがつくとピートはそれっきり家の中に閉じこもって,生理的欲求がギリギリの線に来るまでは絶対外に出ようとしない。
外へ出て帰ってくると四つの足は雪で凍り付いていた。板敷の床の上に木靴でも履いてるような音を立てる。そして僕を睨みつけてその氷を残らず舐めてしまわないうちは僕がどんなに機嫌を取ろうとしても喉など鳴らさない。。
しかしピートはどんなにこれを繰り返しても夏への扉を探すのを決して諦めようとしなかった。
そして1970年12月3日。かくいう僕も夏への扉を探していた。。僕の場合のそれもコネチカットの1月にピートが夏を求めたのと引けを取らない儚い望みであった。。
冬が僕の心にあったのである。僕は健康を害してもいない。歳も30のこちら側であって,一文なしの貧乏人でもなかった。警察に追われる身でもないし,人妻を寝取ってその夫につけまわされているわけでもない。税金徴収人から逃げていたわけでもない。記憶喪失にかかってるわけでもない。
にも関わらず僕の胸には冬が住んでいた。僕はひたすら 夏への扉修 求めていたのである。
ーRobert A. Heinlein, 夏への扉, ハヤカワ文庫SF,
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~2001年3月5日日曜日。冷凍睡眠から目覚めた僕は文化女中器(女中ロボット)の婦人科の事務所に出かけた。技術部門とは何ら関係のない事務系統の臨時の求人しかなかったので,仕方なく求職者の列に入った。しかし面倒な書類を1ダースも書かされた挙げ句に「追って通知します」という例の挨拶をされてみんな追い返されてしまった。
僕は係員の後を追いかけ回して,とうとう求人課の課長代理に会うことができた。
彼は面倒くさそうに書類をめくっていたが,やがて「30年も仕事にブランクがあったのでは技術者としての前歴も何の意味もないですな」
と言った。
僕は冷凍睡眠者であることを彼に念を押した。
「なお悪いね。いずれにしてもウチでは45歳以上の人を雇わない方針なんだ」
「だって僕は45じゃないですよ!まだ30になったばかりです」
「1940年生まれではどうしようもない。お気の毒ですが駄目ですな」
「それでは僕はどうすればいいんです?」
と言うと彼は肩をすくめて
「私なら養老年金を申請するね」
僕は急いで事務所を飛び出した。そして3/4マイル歩いて本社の建物の玄関から上がり込んだ。総支配人の名前はカーチスであった。僕は面会を申し込んだ。
僕は前から待っていた弁護人2人を飛ばして進んだ。女中ロボット製作会社のくせに受付嬢はロボットではなく生身の綺麗な人間の女の子である。僕は何十階かでエレベーターを降りた。~
ーRobert A. Heinlein, 夏への扉, ハヤカワ文庫SF,
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