●1883年(明治15年)午1日
極上の天気也。
田中種楠氏来、直に帰。
津田佐之助氏庭迄。
山吹丁の浅井篤氏来、酒は方々で飲み候につき、お茶をくれと言う。菓子を出して、しばらく喋る。
色々喋っているうちに、深谷の学校で教員を探しているという話を聞く。又丸すにも、教員がないとのこと。こちらもさか田にも有よし。
併、 深谷の学校の給料は月6円。「月10円の学校があれば、考えても良い」と言うと、少し待ってくれと言って帰った。
黒田で新年の酒。
飯も呼ばれ候よし。夕方帰る。
●1883年(明治15年)午7日
曇り。午後から晴。
市川さん来る。
鶴を渡そうと思ったが不可。鶴は持っているとのこと故、堀さんに代わりにあげると書いて、4時に交花一枚進ず。
●1883年(明治15年)午18日
大に天気良。
おしげらへ手本書。
伊勢参り。
丸の内にあるおかの時計直しに行く。無料との事、次回25銭支払予定。
●1883年(明治15年)午19日
天気吉。
田井の子に餅あげる。
菊野さん、お貞跡を貸してくれとの事。
●1883年(明治15年)午20日
お恒さんの縁付の件、申来る。
菊野さん来る。さか田学校の件で小出さん来る。
●1883年(明治15年)午21日
お恒さんは服薬中ではあるが、黒田に行って宿泊。
●1883年(明治15年)午22日
快晴。
岡野さんに誘われておかの天満宮に参拝。
午後、市川さんが来る。表具屋に持っていくための墨画が欲候処、墨と色、おり混ぜ全紙10枚に墨画を描いてくれれば紙代込みで50銭払うとの事。試しに何か書いてくれと言われて書いてみる。今日中に10枚頼むといわれ、夜に石川さんの家に持っていく。持って行って墨画は
墨菊
四時折枝
同
紅梅におしどり二羽
寿老人 松あしらう
岩に菊
梅に白鳥三羽
風月三昆
桜にまめまわし
壺に生
合10枚。
又唐しを50枚に分けて貰い持ち帰る。代金75銭をいただく。
●1883年(明治15年)午25日
甲子也。
夜に祀る。
久しく祀っていなかったので、扇箱に入れてしまっていた3面の大黒様の絵を出して拝む。
お恒さんも子年なので 祀ると言っていたが今日は内藤に宿泊中。故お恒さんの分もまとめて拝む。
おかのに三味引間を持って来いと言われ持参。
-小梅日記 明治大正を紀州にいきる 川合小梅著 東洋文庫
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